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トイレが逆流する原因判明!水が流れなくなった時にできる解決法

トイレが急に故障することは、決して珍しくありません。
故障の症状はいろいろありますが、特に多いのが「トイレの水が流れない」「水が逆流する」といった排水に関する問題です。
トイレは毎日使う場所ですから、急に故障すると大変です。
また、2階以上の場所にあるトイレが逆流した場合は衛生面の問題だけでなく階下への水漏れする恐れもあるでしょう。
トイレの水が流れなくなったり逆流したりした場合、自分で解決できるケースと修理業者への依頼が必要なケースがあります。
今回は、トイレの水が逆流したり流れなくなったりする原因を対処法とともに解説します。
汚水が流れないようにする応急処置方法も紹介するので、参考にしてください。

トイレの水が逆流したり流れなくなったりすることは急に起こることもある

トイレの水が逆流したり流れなくなったりするトラブルは決して珍しくありません。
古いトイレだけでなくまだ新しいトイレでも発生することがあります。
また、台風や豪雨など自然災害でもトイレの水の逆流が起きることもあるので、対処法を覚えておくといざというときも安心です。

トイレの水が逆流したり流れなくなったりする原因

トイレの水が逆流したり流れなかったりする原因は、以下のようなものがあげられます。

症状 原因
排水管・排水口のつまり トイレに流しても大丈夫なものがつまる
異物がつまる
排水ポンプの故障 経年劣化
不適切な使い方をした
トイレタンクの故障や不具合 経年劣化など
排水管の経年劣化 排水管に尿石などがついて狭くなっている
止水栓が閉まっている ※故障ではないので、止水栓を開ける

これから、トイレの逆流や水が流れない原因について詳しく解説していきます。

排水管や排水口のつまり

トイレは水を流すと、排水口や排水管を通って汚物やトイレットペーパーを下水管へ流します。
ここが詰まると水が流れなくなったり汚水が逆流したりします。
つまりの原因となるものは、以下のようなものが多いです。

トイレに流しても大丈夫なもの

近年は、トイレに流せる製品が増えました。しかし、一度に大量に流したりトイレが古く配管が尿石などで狭くなったりしていると、流れきれずにつまりが発生することもあります。
一例をあげると、以下のようなものです。

  • トイレットペーパー
  • 流せるお尻拭きやトイレ掃除シート
  • 流せる猫のトイレの砂など

また、外国製のトイレットペーパーは日本製のものに比べると水に溶けにくく詰まってしまうこともあります。
このほか、近年人気の節水タイプのトイレは一度に流す水の量が少ないため、トイレに流せるものでも一度に大量に流すとつまってしまうことがあるでしょう。

注意

なお、一時期流行した「トイレのタンクにペットボトルを入れる節水方法」は、規定水量の排水ができなくなり、つまりの原因になるのでやってはいけません。

トイレに流してはいけない異物類

トイレに流してはいけない異物類

異物とは、以下にあげるようなトイレに流してはいけないもののことです。

トイレに流してはいけないもの

  • 生理用品やおりものシート、ティッシュペーパー
  • スマホ
  • アクセサリー類
  • 子どものおもちゃなどの小物

ティッシュは一見するとトイレットペーパーと同じようなものに見えますが、水に溶けないため、トイレに流すとつまってしまいます。
異物をトイレに落としたらつい慌ててしまいますが、以下のようなことはやってはいけません。

やってはいけない事

  • 水を流す
  • ラバーカップを使う

流す前にトイレの中に異物を落としたら、厚手のゴム手袋をはめて異物を取りましょう。
水を流すと、排水管の奥の手が届かない場所まで異物が移動してしまいます。
ラバーカップも同様です。
ラバーカップはカップの中を真空状態にしてつまっているものを押し流してつまりを取りますが、排水管の途中でつまってしまうと取り出すこと押し流すことも非常に難しくなってしまいます。
異物がトイレの中に落ちて水を流してしまったら、すぐに業者に連絡して異物を取り除いてもらいましょう。
また、ネックレスなど小さいアクセサリーを流してしまい、つまりが発生しなかったばあいも、一戸建てならば汚水マスを確認してください。
汚水マスの中に異物が入っている場合、取り出さないとそこでつまりが発生する場合もあるでしょう。
マンションなど集合住宅の場合は、管理会社に連絡してください。

排水パイプや排水口につまりがちなもの 具体例 自分で対処できるかどうか
トイレに流せるもの トイレットペーパー
流せるタイプの掃除用具
流せるタイプの猫砂
流せるタイプのおむつ拭きなど
可能
異物 スマホ
子どものおもちゃ
アクセサリー類
小物類
ティッシュペーパー
生理用品
流していないなら可能
水を流したなら業者に依頼

排水ポンプの故障

排水ポンプとは、地下や半地下のトイレに設置されている設備でその名のとおり排水をくみ出す設備です。
排水ポンプが故障すると排水をくみ上げることができずに汚水が逆流したり水が流れなくなったりします。

注意ポイント

排水ポンプの故障は個人で直すことはできません。


複数のトイレのうち地下のトイレだけが逆流したり水が流れなくなったりした場合は排水ポンプの故障の可能性が高いため、すぐに業者を呼びましょう。

トイレタンクの故障や不具合で水が流せない場合

トイレタンクは、ボールタップ・オーバーフロー管・フロートバルブとチェーンなどの部品から構成されています。
レバーを回すとトイレタンクの中に溜まった水が便器内に流れます。
しかし、トイレタンク内の部品が故障していると便器内に水が流れなかったりタンク内に水が溜まらなかったりします。
トイレタンク内に水が溜まらないと、水を流すこと自体ができなくなるのです。
トイレタンクの部品は経年劣化によって故障することが多いだけでなく、水あかがタンク内にこびりついて水の流れを阻害することもあります。
トイレタンク内の部品が故障した場合はトイレの水が逆流することはまれですが、トイレの水は流れなくなるため、使用不可能になります。

排水管の経年劣化

陶器でできた便器自体の寿命は100年近く持つといわれていますが、タンクの部品や排水管の寿命は15~20年、ウォシュレットの寿命は10~15年といわれています。
中でも、排水管は経年劣化により尿石や水垢などがついて狭くなり、つまりやすくなる可能性もあります。
10年以上使ったトイレが何もしていないのにつまった場合は、排水管の経年劣化の可能性も視野に入れましょう。

止水栓が閉まっている

トイレの点検などで止水栓を閉め、うっかり開け忘れてもトイレの水は流れなくなります。

ポイント

トイレの水がいきなり流れなくなった場合は、まず止水栓を確認しましょう。


止水栓をあけたら元通り水が流れ出した場合は、故障ではありません。

トイレの水が流れなかったり逆流したりした場合にまず確認すること

トイレの水が流れなかったり逆流したりした場合は、次のようなことを確認してください。

トイレの水が流れない ●  止水栓は閉まっていないか
●  レバーは空回りしていないか
●  水の流れる勢いが弱くなっていないか
トイレの水が逆流した ●  不溶性のものを流していないか
●  大量の水溶性のものを流していないか
●  トイレの小物がなくなっていないか
●  排水ポンプが確認できる場合は異常が無いか。
●  戸建ての場合は汚水マスを確認する

汚水マスは一戸建ての敷地内に設置されておりトイレ以外にも浴室やキッチンなどからの排水が一度集まる場所です。
トイレの水が流れなかったり逆流したりしたとき、汚水マスが汚水で一杯だったりあふれたりすることがあります。
これは汚水マスが詰まっている証しなので、こちらを解消する必要があります。

集合住宅の場合は小規模な場合は一戸建てよりも大きな汚水マスが敷地内にあり、大規模な集合住宅の場合は汚水槽が設けられているのが一般的です。
なお、集合住宅で汚水マスが詰まった場合、つまりが発生していない一階の住宅のトイレがいきなり逆流することもあるでしょう。

トイレの水が逆流したり水が流れなくなったりしたときにやってはいけないこと

トイレの水が逆流したり流れなかったりした場合、再度レバーを動かして水を流してはいけません。
トイレのつまりを解消するために大量の水を流す方法がありますが、中途半端に水を流すと便器から水があふれる恐れがあります。
便器の汚水が床や壁に流れれば、下水の臭いが染みついてしまったり床や壁にカビが生えやすくなったりすることもあるでしょう。
また、2階以上のトイレがあふれた場合、階下へ水漏れする恐れもあります。
水漏れが発生した場合、さらに被害が拡大して状況によっては損害賠償を請求されることもあるでしょう。
なお、時間がたつとトイレの水の水位が下がっていることもありますが、つまりが直ったわけではありません。
安心して水を流すと一気にあふれる可能性があります。

トイレの水が逆流したり流れなかったりしたときにまずやること

トイレの水が逆流したり流れなかったりしたら、以下の2つをまずおこないましょう。

トイレの水が逆流したり流れなかったら行う事

  • 止水栓を閉める
  • ウォシュレットの電源を抜く

止水栓を閉めれば、これ以上トイレの水が流れることはありません。

注意

最近は自動で水が流れるトイレも増えたため、汚水があふれるのを防ぐためにも止水栓を閉めましょう。
また、ウォシュレットの電源が挿しっぱなしだと感電の恐れがあります。
電源ノズルなどが濡れている場合は、感電を防ぐためにゴム手袋をはめて水分を十分に拭き取ってコンセントを抜いてください。

自分で直せるトイレの故障と直せない故障

トイレの水が逆流したり流れなかったりした場合、自分で直せる可能性のある故障と、業者に依頼したほうがおすすめのケースがあります。

自分で直せる可能性がある故障 ●  水溶性のトイレットペーパーなどが詰まった
●  不溶性のものがつまったが、取れそうな位置にある
●  トイレタンク内の部品が故障した
業者に依頼するのがおすすめの故障 ●  不溶性のものが詰まった可能性が高く、取れそうにない
●  排水管内に尿石などがこびりついている
●  排水マスなどが詰まった
●  排水ポンプが故障した

なお自分で直せる可能性がある故障でも、うまく対応できないときは業者に依頼しましょう。
特に、直ったと思ったら小さな不具合が続く場合は、業者に依頼して根本的に直してもらうことがおすすめです。

自分でトイレを直す方法

ここでは、自分でトイレを直す方法を紹介します。
トイレに流せるものがつまった場合に有効な方法です。

水を勢いよく流してみる

大量のトイレットペーパーを流した後に水が流れなくなったなど、水溶性のものがつまったとはっきりしているときにおこなうと、つまりが解消できる方法です。
以下のような手順でおこなってください。

つまりが解消方法

  • 水が飛び散ってもいいように床に新聞紙などを敷いて養生する
  • 便器内の水があふれないように一定量くみ出す(※柄杓などを用いる)
  • バケツ一杯程度の水を勢いよく流す

こうすることで、水の勢いでトイレットペーパーなどが溶けて流される可能性があります。
また、水の温度をぬるま湯程度までに上げておくと、より溶けやすくなるでしょう。
なお、水を勢いよく流すと汚水が周囲に飛び散りやすくなるので、可能ならば使い捨ての雨合羽などを着ておくのがおすすめです。
うまくつまりが解消するとトイレの水が流れていきます。しばらく様子を観察してトイレの水量が順調に減っているようならば、トイレを流してみましょう。

ラバーカップや真空パイプクリーナーを使う方法

ラバーカップはトイレのつまりを解消する代表的な方法です。
ラバーカップはカップ内を真空状態にすることで、水を勢いよく排水管内に流してつまりを解消させます。
ですから、トイレットペーパーをはじめとする水溶性のものが詰まった場合などに使うとつまりを解消できます。
なお、ラバーカップよりも威力が強い「真空パイプクリーナー」もあるので、ラバーカップでは取れないつまりも取ることができるでしょう。
ただし、ラバーカップは強い力で排水管内に詰まっているものを押し流すことでつまりを解消します。
ですから、異物が詰まったときに使うともっと奥の方で再度詰まることもあり、おすすめできません。

ラバーカップを使ったつまりを解消する手順
ラバーカップを使ってつまりを解消するには、以下のようなものを用意しましょう。

ラバーカップや真空パイプクリーナー(便器に合わせて購入する)
床に敷く新聞紙
便器を覆うビニール
トイレの水をくみ出すバケツと柄杓

手順は次のとおりです。

ポイント

  • ラバーカップには洋式用・和式用・節水トイレ用があるので用途に合わせたものを購入する
  • ラバーカップが浸かるくらいの水がないと真空にならないため、水量を調節する。
  • 水量が足りなかったら足し、多ければくみ出す
  • 排水口を覆うようにラバーカップを入れ、ゆっくりと押し込んで引く
  • つまりが解消すれば水が流れる

なお、汚水のとびちりを防ぐためには、便器全体にビニールをかけてラバーカップが通る大きさの穴を開け、そこにカップを入れて使いましょう。

真空パイプクリーナーを使ったつまりの解消手順

真空パイプクリーナーを使ったつまりの解消手順

  • 真空パイプクリーナーを排水口に合せる
  • ハンドルをゆっくり押したり引いたりする
  • つまりが解消したら水が流れる

真空パイプクリーナーを使う手順もラバーカップと基本的に同じです。
カップが浸るくらいの水位を保ち、カップ内を真空状態にしましょう。

ワイヤーブラシを使う方法

ワイヤーブラシは、長く柔軟性がある針金の先にブラシがついたもので、これを便器の中にいれてかき回すことで、つまったものをくずしてつまりを解消します。
不溶性のものでも、たとえば生理用品など細かくちぎれるものであれば、ワイヤーブラシで分解してつまりを解消することができるでしょう。
用意する物はラバーカップの時と同じです。水が飛び散るので床に新聞紙などを敷いて養生しておきましょう。
解消の手順は以下のとおりです。

ワイヤーブラシを使ったつまり解消方法

  • ワイヤーの先端を排水管の向きに合せてセットする
  • 便器内にワイヤーの先端を入れる
  • 詰まっているものにぶつかったらワイヤーを回してつまっているものを壊す

なお、ワイヤーの扱いは慣れていないと難しいので乱暴に扱うと排水管などが破損してしまう可能性があります。
ワイヤーブラシは、ラバーカップなどでつまりが解消しなかった場合の最終手段にするのがおすすめです。

しかし、異物はバラバラに分解しても水に溶けず再びつまりが発生する恐れがあります。
ですから、異物を詰まらせた場合は、業者に依頼して汚水マスや排水管の掃除をしてもらうのがおすすめです。

業者に依頼してトイレのつまりや逆流を直す方法

賃貸物件の場合

トイレのつまりや逆流を確実に直すなら業者に依頼するのがおすすめです。
賃貸物件と持ち家では業者への依頼方法が違います。

ポイント

賃貸物件は、すでに業者が決まっているので大家さんや管理会社に連絡してください。


トイレの部品の経年劣化などでつまりや逆流が発生した場合は、修理費用は大家さんが負担します。
賃借人の不注意でトイレをつまらせた場合の修理費用は賃借人の負担です。
持ち家の場合は、自分で業者を選びます。
夜中や明け方などにトイレの逆流やつまりが発生した場合は24時間対応の業者がおすすめです。
特に、2階以上のトイレはつまりや逆流を放置しておくと水漏れが発生するので早めに対処してください。
調査を行い、見積もりを作成してもらったうえで契約をしましょう。

トイレのトラブルを事前に防ぐ方法

最後に、汚水の逆流や水が流れないといったトイレのトラブルを防ぐ方法を紹介します。

トイレに流せるものをでも量に流さない

トイレに流せるものをでも、大量に流せばつまりや逆流が発生します。
特に、外国製のトイレットペーパーを大量に節水型のトイレに流すとつまってしまいがちです。
また、流せるタイプの猫のトイレの砂などもつまりやすいものがあります。
可能ならば、トイレに流すものはトイレットペーパーだけにしておきましょう。
トイレに流せるというものでも、ゴミ箱に捨ててください。

スマホや小物をトイレに持ち込まない

異物をトイレに流してしまうと、時間がたってからつまりが発生することもあります。
また、スマホやアクセサリーなどはトイレに落としやすいものなので、可能ならば持ち込みは避けましょう。
そして、トイレに落としてしまった場合はゴム手袋をはめて水を流す前に取ってください。
小さいものでもそのまま流してはいけません。

ポイント

このほか、トイレは常に蓋を閉めておくようにすれば、地震などがおきても小物が落ちる被害を防げます。

定期的に汚水マスを掃除する

汚水マスが溜まったりあふれたりするということは、下水管がうまく機能していない証しです。
今はよくても、将来的につまる可能性もあるでしょう、

ポイント

持ち家の場合は、定期的に汚水マスを掃除するのがおすすめです。


業者に依頼すれば、排水管の状態も確認してくれるので修理のタイミングも分かります。

まとめ

今回はトイレの水が逆流したり水が流れなかったりする原因や対処法を紹介しました。
トイレのつまりは新しいトイレでも発生することがあります。
汚水が逆流してくれば慌ててしまいますが、汚水をあふれさせないことを第一に落ち着いて対処しましょう。
また、つまりが解消しない場合はできるだけ早く業者に修理を依頼してください。

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